ブログ - ベビーマッサージ、赤ちゃんマッサージ、SWEETNESS(スウィートネス)は 静岡県裾野市で、赤ちゃんと触れ合うインファントマッサー ジ教室を開催しています。 - Page 251

Blog

2013.9.2
スペシャルニーズとインファントマッサージ(後編)

 

IAIM 特別講演に参加

IAIM 特別講演に参加


前編の続きです。

「どのようにして教えるのか、どのようにインファントマッサージを応用するのか」です。

まず、クラス
①個別のクラス ②グループのクラス ③個別で行った後グループのクラス

それぞれのメリットと注意点を実際の経験談と合わせて。

③の場合、はじめに個別でレッスンを行い、マッサージストロークを親子で覚えてから、グループのクラスに参加をするため、ゼロからのスタートではなく、1歩進んだかたちになる。緊張や焦りを和らげ、他の親子との交流が良い刺激、励みにつながりやすい。

②の場合、助け合う、意見共有ができる。学び合うのはストロークだけではない。しかし、痛みの場にもなる。同じ疾患同士で行うと、ママ同士に競い合う気持ちが生まれてしまいがちに。

①の場合、子供の状態を把握して、できるストロークを選択して始めることができる。

実践に入る前の体勢(position)について。
子供の体を安定(stability)させてあげます。
不安定では、コミュニケーションが図れません。仰向けでなく、横向き(側臥位)でもよいのです。クッションやタオルを使って安定させましょう。

整合性(alignment)をとります。
右をやったら、左も行います。どちらかに疾患があれば疾患のない方から。

最も重要なのが、徐々に(graduality)レスティングハンド(別名スティルタッチ)から始めることです。
レスティングハンドは、親子双方がマッサージに対する心構えをするのにとても役立つ方法です。
パパやママの手のぬくもりをじんわりと、愛や優しい気持ち、安心、心地良さを伝えます。

リラクゼーション(relaxation)について。
筋肉の状態(緊張or弛緩)でストロークを選択します。
弛緩していれば、コンテインメントをして、支えてあげます。
  *コンテインメントとは、両手で包み込むように両脚もしくは両腕を握っ     たり、頭とおしりに手を添えたり、あるいは背中とお腹に手を添えたりして、 赤ちゃんを包み込むように支えること。

緊張していれば、緩和、軽減できるようにポジショニングします。
緊張は相手にも伝染します。リラックスを伝えるようにすれば緊張がほどけていきます。
マッサージ前、まずはマッサージする側のリラックスが大切です!

許可を得ること(asking permission)について。
マッサージしてもいいですか?に対して、子供の合図(サイン)を読み取ります。
子供たちは様々なサインで表現します。YESサインかNOサインかはマッサージをする親が判断します。
同じのけぞるのサインでもYESとNOがあって、親御さんだから判断できることがあるのです。

このあと、デンマークでのマッサージ教室(託児所にて)のビデオを見ました。ビデオでは、1歳を超えた子供たちの様子でした。
(ムコ多糖症、脳性麻痺、自閉症、ジストニア)

レッスンの実際を見ながら、大事なことの説明がありました。
ポジショニングで大事なのは、体の正中線をまっすぐにアイコンタクトできるようにすること。
インストラクターはどこにいるのがよいのかも考えること。

事例① 
レスティングハンドから始めます。
タッチすることが、触ることの準備になります。タッチされることの許容量をUPしてあげます。
レスティングハンドで待ちます。そして、優しくゆっくり少しずつ、徐々に安定化していきます。これは、母も心を落ち着かせることにつながります。
子供から手が離れないように、必ず片手は子供に触れていること!
安定したら、片手でオイルを取って、片手のなかでオイルを温めます。
マッサージストロークは、ルーチンの中から選んで少しずつ進めます。

事例② 
鏡越しで、子供とアイコンタクトをしてもよい。できることをおかれた状況でその状態でします。(服の上からでも、ギプスの上からでも)
子供にするマッサージを親にもして、子供がしてもらうマッサージの心地良さやあたたかさなどを感じてもらっています。


マッサージをしていくと、子供も親も穏やかな笑顔になったり、リラックスが上手になってマッサージしやすいように腕が動かせたり、そのまま気持ちよさそうに眠りについたり、愛情満タンになったのか安心した表情でママから離れて遊びに行ったり。どれも親子の変化に優しい気持ちになりました。インファントマッサージが親子の絆を深めるコミュニケーションになっている様子が伝わってくる感じがとてもあたたかいものでした。

インファントマッサージは、リハビリではなく、治療でもありません。
子供に許可を得て、子供のサインを尊重します。痛みももちろんありません。
すべての親子に提供できるものです。
子供のペースで行い、はじめはレスティングハンドから焦らずじっくり行っていっても、最終的には全身をマッサージします。

スペシャルニーズとインファントマッサージ。
スペシャルニーズの親子のコミュニケーションのお手伝いを職場で行っているインストラクターの話も聞くことができました。
いろいろな場所で、インファントマッサージがされていることを知って、私もインストラクターとしてできることを頑張っていこうと考える大切な時間になりました。

今月もまた1組の親子にインファントマッサージ教室ができます。
愛おしい気持ちあふれるインファントマッサージ教室、これからもブログで紹介していきたいと思います(^o^)/

9月の教室予約については、2013.9.1 のブログをご覧ください。

関連記事: 2013.8.31 インファントマッサージに代わる慈愛に満ちた触れ合い
      2013.9.2 スペシャルニーズとインファントマッサージ(前編)

2 people like this post.

2013.9.2
スペシャルニーズとインファントマッサージ(前編)

IAIM 特別講演に参加

IAIM 特別講演に参加



2013年8月4日 IAIM日本支部の同窓会と継続教育がありました。
全国のインストラクターの方々とお会いできて、インファントトークもたくさんできて、楽しい時間があっという間でした(^^)

継続教育では、イタリア支部のIAIM国際トレーナー ベネデッタ・コスタ先生
の特別講演がありました。
イタリアで最初のインストラクター。
小児理学療法士であり、前IAIM会長 です。

イタリアのこども病院のリハビリ部門 18年勤務され、特別な配慮が必要なお子さんや家族と共に様々な経験を積んでこられました。

日本のインストラクターは、約800名。
欧米では主流となっているインファントマッサージ。
イタリアのインストラクターは、約7000名。

遅くなりましたが、3時間の講演内容をまとめました。


講演は、「なぜ、インファントマッサージなのか?」から始まりました。
すべての赤ちゃんに分け隔てなく、インファントマッサージをしてあげなければならない。インファントマッサージはコミュニケーションであり、医療行為ではない。赤ちゃんが赤ちゃんとしてみてもらえる素晴らしい方法なのである。
様々な疾患(ムコ多糖症・自閉症・脳性麻痺・ジストニアなど)を抱えていても、それに注視せず、ひとりの人として全体を見ることが大切
聞く、見る、話す、笑うなどができるのであるのだから。

インファントマッサージのコミュニケーションは、ひとりの人間との関係を築くことを助けてくれます。


次に、「いつ、インファントマッサージをお知らせするか?」です。
インファントマッサージは、生まれてすぐから行うことができるプログラムです。生まれてから1か月の脳の発達は速く、当教室でも1か月健診を終えてすぐから始める赤ちゃんもいます。
しかし、スペシャルニーズの赤ちゃんは、早すぎるとリスクを伴うことがあります。それは、親が心の痛みを伴っている状況であるときです。心の痛みが大きいとインファントマッサージなどの新しい情報を受け入れることが困難です。
親の気持ち、感情がとても大事なのです。罪悪感、良心の呵責、悲しみ、ショック、拒否、何かの間違いでは?などの心の痛みのある親御さんには、その感情を表現してもらうことに寄り添う時間が必要です。
親と子の準備ができたときに、関わっているインストラクターは担当専門医などの医療チームで判断し、インファントマッサージを始めます。

生まれて間もなくから、生後8か月になってから、いろいろなケースがあるそうです。

事例:ダウン症児のママは、出産後に涙を流しました。しかし、48時間後から、足のマッサージストロークを始めました。ボンディング(絆形成)・愛着形成がはじまりました。

インファントマッサージをいつ知らせるのがよいかは、今なのか、待つべきか、よく考えることが重要です!

このあと、
「どのようにして教えるのか、どのようにインファントマッサージを応用するのか」を、キーワードをあげながら講演が進んでいきました。
続きは(後編)をご覧ください。


9月教室の予約について: 2013.9.1 のブログをご覧ください。

2 people like this post.
インファントマッサージ教室